各部門の統括場所が分散している理由のひとつに、従業員の少数化があげられます。会社としては、コスト削減のために間接部門の人数はできるだけ減らしたいというのが本音で、そのため一人の人間が従事できる業務や責任は多くなればなるほど助かります。そこで、会社は必要最低限のスタッフを必要最低限の国でのみ雇い、一人に多くの国や仕事を管理させているのです。
たとえば、
- 日本の技術開発部門マネージャは、US本社やAPACにいる各シニアマネージャやディレクターが上司。
- 日本のHRマネージャは、APACの他国にいるシニアマネージャが上司。APAC内にマネージャは計3人ですが、APAC9カ国を3人で管理。
- L&C担当者は日本に不在、代わりに日本はアウトソースの法律事務所と契約。自社の担当者はAPAC9カ国で1人のみ。その他は案件によりUS本社の担当者がサポートしている。
- Finance 日本にもAPACにも不在、ある程度規模の大きな支店はアウトソースの会計監査法人と契約。アウトソース先の管理はイギリス支社で行う。
-不動産・総務関連部門マネージャは日本に1人、上司はUS本社。APACの他国にいるマネージャ1名と計2名でAPAC9カ国を管理。
こうなってくると、日本の社長の配下となる部門は減り、会社組織として非常に管理は難しくなるのですが、その点は仕事の内容を熟知した各部門担当役員と、ローカル(各地域)の需要や顧客の要求を把握できる地域担当役員にかなりの権限が与えられていることで、この二人の同意が得られれば迅速に経営判断がなされ、実行されていきます。